研究内容
セイキチョウ
red-cheeked cordon-bleu
Uraeginthus bengalus
ルリガシラセイキチョウ
blue-capped cordon-bleu
Uraeginthus cyanocephalus
「セイキチョウ」と呼ばれるカエデチョウ科鳥類は3種類いて、
そのうち上記の2種類の研究を行っています。
彼らは雌雄で歌とダンスを行いますが,私は特にダンス行動に注目しています。
これまでの研究で、セイキチョウが一度ぴょんと跳ねただけのように見える求愛ジャンプの中に、タップダンスのような動きを含んでいることを発見しました。
この行動は視覚的なアピールのみならず、音や振動を介したコミュニケーションに寄与していると考えられます。
ブンチョウ(文鳥)
Java sparrow
Lonchura oryzivora
修士課程まではブンチョウの歌の研究もおこなっていました。
文鳥はセイキチョウと異なり雄のみが歌をうたいます。(ただしダンスは雌雄でおこないます。)
修士課程の研究で、雄がうたう歌にどのような情報が含まれているのか、
歌のどのような特徴が雌に好まれるのかを調べました。
動物行動学・行動生態学の観点から、鳥類の求愛行動を研究しています。
動物がどのような手段を使ってコミュニケーションを行っているのか、
なぜそのような行動が進化したのかに興味があります.
現在は小鳥の求愛行動に着目し,彼らのさえずりやダンスがコミュニケーション上
どのような意味や機能を持つのかを調べています.
◆ 研究対象種
セイキチョウ(青輝鳥,cordon-bleus, Uraeginthus spp.)
◆ これまでに発表した論文
文鳥は大人になって歌学習が終了したあとでも歌の長さとテンポを改善できる
1. Ota N, & Soma M (2014)
Age‐dependent song changes in a closed‐ended vocal learner: elevation of song performance after song crystallization.
Journal of Avian Biology, 45(6): 566-573.
DOI: 10.1111/jav.00383
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jav.00383/full
セイキチョウがタップダンスしているところをハイスピードカメラで捉えた
2. Ota N, Gahr M & Soma M (2015)
Tap dancing birds: mutual multimodal courtship display of males and females in a socially monogamous songbird.
Scientific Reports, 5: 16614.
DOI: 10.1038/srep16614
http://www.nature.com/articles/srep16614
ルリガシラセイキチョウのタップダンスは音を出すのに効果的
3. Ota N, Gahr M & Soma, M (2017)
Songbird tap dancing produces non-vocal sounds.
Bioacoustics, 26(2): 161-168.
DOI: 10:1080/09524622.2016.1231080
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/09524622.2016.1231080
ルリガシラセイキチョウは二人きりの時よりも第三者に見られている方がよく踊る
4. Ota N, Gahr M & Soma, M (2018)
Couples showing off: Audience promotes both male and female
multimodal courtship display in a songbird.
Science Advances, 4(10), eaat4779.
DOI: 10.1126/sciadv.aat4779
http://advances.sciencemag.org/content/4/10/eaat4779